最近でこそ、ペット共生のマンションも見受けられますが、基本的には、ペットの飼育はできないというのがほとんどです。
その理由はというと、ペットの発する臭いのみならず、ペット固有の菌や、ペットアレルギーなどなど当人以外の周りへの影響や退去後の次の入居者のことを考えると仕方のないところです。
わかりやすいのは、臭いの問題で、かなりきちんとしてペットを飼育したとしてもそれなりにペット自体の臭いと、それ以上にペットの糞尿の臭いがするものです。
まして、飼育がきちんとされずに、ペットを放置状にしていた場合は、その臭いは大変なものになります。
特に、高齢者が自分の身の回りの世話もままならないのに、ペットを飼育しているケースや、きちんと管理できない方が、複数飼育しだしたりすると大変なことになってしまいます。
このようなケースで大家さんが契約違反の実態を見つけたり、退去の立会いで管理会社が発見したりで事が発覚したりするわけです。
入居者は退去する時に、原状回復をしなければならないわけですが、ペットの臭いは掃除で簡単に取れるようなものではありません。
それじゃクロスを張り替えれば良いのか?臭いはそんなに単純ではありません。クロスは張り替えてもその下地のもっと奥まで臭いが浸透している事が多いので張り替えても臭いが残るケースがあります。
クロス以上に大変なのが床です。きちんとトイレのしつけをしてトイレできちんとしていれば問題はありませんが、多くはあちこちでおしっこをお漏らして問題になります。
床は防水ではないので、フローリングやクッションフロアいずれでも、必ずつなぎ目があるわけです。
そのつなぎ目から下に尿が浸透してしまったら大変なことです。
フローリングなど床は下張りの板があるのが普通ですが、そこにも尿が染み込んでしまったらとんでもない大掛かりな工事になってしまいます。
通常の賃貸契約ではここまで想定してなく、せいぜい家賃の1か月とか2か月程度の敷金でできる工事を想定しています。
しかし、床の下張りまでおしっこが染み込むようなことになれば、スケルトンにするような工事が必要になり、200万とか300万の予算が必要なケースも出てくるわけです。
こうなってしまうと、大家さんと入居者だけではなかなか解決ができなくて、弁護士さんを通じて、訴訟の準備をしなければなりません。その結果として、裁判にならずに、和解することもあるかもしれませんが、準備としては裁判になることを想定して進めることになります。
その時に、必要なるのが専門家の意見なのです。今回の例で言えば、消臭作業をして臭いのないような状態にするにはどういう手法をとったら良いか?そのための予算はどれくらいか?
この辺をきちんと整理することで、臭いの原状回復の法的な解決につながるのです。
当社では、過去に手がけた裁判に関わる施工例を基に、次の入居者が臭いを気にすることなく、契約できるように、意見書を作成しています。
臭いの件で色々とお困りの大家さんや管理会社の方はお問い合わせいただければと思います。
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